マネーフォワード クラウドERPとは?クラウド化でできることや特徴・機能を紹介

コロナ禍を機に一気に注目され始めたクラウド化。
その中でもマネーフォワードが提供している『マネーフォワード クラウドERP』が注目されています。
売上10億円未満企業でのERP導入実績No1※など、CMや街中でも見る機会が増えています。
マネーフォワードを使うことで、法令対応のたびのメンテナンスやサーバー維持が不要になり、業務システムを内製化し、業務改善を行うことが可能になりました。
今回はマネーフォワード クラウドERPとは何か?やできること・できないことをまとめました。
この記事を読むことで
- そもそもマネーフォワードでできることが何かわかる
- 実現したいことがマネーフォワードで実現できるかがわかる
- マネーフォワードを利用した際のメリット・デメリットがわかる
- マネーフォワードのAPI連携についてわかる
- マネーフォワードの活用事例が5個もわかる
そんなマネーフォワード クラウドERPの解説決定版の記事となっています。
クラウド化に興味がある方、マネーフォワードの導入の検討している方はぜひ一読ください!
また、無料相談もお待ちしております!
※ITR 「ITR Market View:ERP市場2024」ERP市場年商10億未満ベンダー別売上シェアによる
マネーフォワード クラウドERPとは?
マネーフォワード クラウドERPとは、株式会社マネーフォワードが提供しているバックオフィスの業務システム群のことです。
ERPとは経営の基本となる人的・物的・金銭的リソースといった経営資源を効率的に配分し、有効活用するための考え方のことです。
この考え方を実現するためのITシステムを、「ERPシステム」または「ERPパッケージ」と呼び、会計・人事・生産・物流・販売などの幅広い業務分野の機能を備え、自社が持つ情報の一元管理を可能にするシステムです。
マネーフォワードでは、人事労務領域・会計財務領域・法務契約領域に約20のサービスがあり、包括的にバックオフィス業務をシステム化することができるようになっています。
マネーフォワードは全てSaasと呼ばれる形態をとっており、法令改正の際もメンテナンス不要で常に最新の状態で利用できる点、API技術を用いた自動連携できる点が最大の強みになっています。
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マネーフォワードは中小企業から上場企業まで幅広く利用できるサービスラインナップがあり、効率化による人手不足解消を補うことができるだけでなく、上場基準の内部統制にも対応することができます。
実績として、累計168,000社以上の導入実績があり、DX化・クラウドツールとして、国内最大級の導入実績を誇ります。(2024年5月第二四半期決算時点)
マネーフォワード クラウドERPでできること・メリット
マネーフォワード クラウドERPのメリットを紹介します。できることやメリットは下記のようなものが挙げられます。
- 人事労務・経理財務のバックオフィス業務を効率化できる
- 見た目がわかりやすい
- 業務間の自動連携で業務を効率化できる
- 銀行の入出金データを自動で取得・活用できる
- 紙の運用を減らすことができる
- サーバ保持・メンテナンスが不要になる
- セキュリティ
- マルチデバイス対応している
- コミュニケーションコストを減らすことができる
- 経営数字の見える化ができる
- グループ間管理がスムーズになる
それぞれについて、紹介していきます。
人事労務・経理財務のバックオフィス業務を効率化できる
マネーフォワードは人事労務・経理財務領域をメインに製品を用意しています。さらに、各製品が自動連携しているため、オフィス業務を効率化することが可能です。
人事労務領域では、従業員さんが入社した際、個人情報を入力するフォームをメールで送信できます。従業員さんはスマホからポチポチ入力していくと入社手続きが完了します。
入力が終わった情報を基にそのまま雇用契約書を電子契約として送付できます。
回収した従業員情報は勤怠打刻システム・給与計算システムへボタンひとつで反映でき、煩雑な入力・転記作業を無くせます。
給与計算が終わったら、計算結果をそのまま仕訳として生成できるなど、バックオフィス全体の業務を一貫して自動化・手作業削減でき、効率化を実現することができます!
見た目がわかりやすい
様々なバックオフィスシステムがありますが、その中でもマネーフォワードの操作画面は視覚的に非常にわかりやすいです。
今まで会計を担当していた方に向けて複式簿記の形式で見慣れた画面でありつつ、直感的に操作しやすい画面になっているためパソコン慣れしていない方でも直感的に使用可能です。
マネーフォワード クラウドERPは2021ねんにグッドデザイン賞も受賞しています。
業務間の自動連携で業務効率化できる
バックオフィス業務の大変なことの一つとして、業務間を横断した2重・3重作業がありますよね。
例えば、支払請求書が手元に届いた際、下記のような業務が発生していませんか?
- 請求書に枠印を押して、決裁者まで承認フローの回覧リレー
- 回覧が終わった請求書を見ながら、未払で仕訳を起票
- 支払い期日までジャバラなどに保管
- 支払期日になったらインターネットバンキングへ1件1件手入力
- 支払入力とともに、支払仕訳を起票
1件の請求書支払だけでもかなりの業務量がありますよね。。
マネーフォワードであれば、この2重・3重作業を解消することができます!
クラウド債務支払に請求書を登録することで、会計へ未払・支払の仕訳は自動生成できます。
さらに、システム上で承認フローの回覧ができ、支払データも期日ごとにボタンひとつで作成でき、FBデータの作成・銀行に支払データを連携する※ところまでスムーズに完結できちゃいます!
※インターネットバンキングに振込データ連携までできる金融機関は一部の金融機関のみになります
銀行の入出金データを自動で取得・活用できる
通帳をコピーして1行1行仕訳起票したり、各銀行のインターネットバンキングにログイン情報入力するのって中々手間じゃないですか?
マネーフォワードでは、銀行の入出金データを一括で自動で取得することができます。
銀行や環境によって数日間は自動取得連携のままのため、毎日ログイン情報を入力する手間も省けます。
さらに、取得した入出金データをもとに自動で仕訳を起票したり、入金確認作業を自動化したりと手作業を大きく減らすことも可能です。
銀行連携について、実施できるシステムは他にもありますが、他社の銀行連携製品機能を組み込んでいることが殆どです。
マネーフォワードは自社で直接銀行連携を実現しており、連携数も業界No1と個人・法人ほとんど全ての金融機関と連携できます!
自社連携のため、連携数や更新頻度が担保されていて安心ですね。
紙の運用を減らすことができる
承認フローの回覧など、システム上でできるため、紙運用を減らすことができます。
さらに、電子帳簿保存法にも対応しているため、紙の書類原本保管は不要になります。
上司が不在がちで承認が進まない、事務処理のために出社する必要があるといったお悩みも解消できますね!
請求書や領収書、入退社時の書類や雇用契約書など、保管・探し出しだけでも一手間な書類を無くすこともできるようになっています!
保管、探し出し、シュレッダー業務から解放されるだけでも随分楽になりますね!
サーバー保持、メンテナンスが不要になる
オンプレミス型の製品の場合、サーバーを保持し、法令改正の度システムメンテナンスをする必要があるなど、コスト・手間ともに煩雑な面があると思います。
マネーフォワードでは、サーバーの保持は不要になっており、法令対応の改修もマネーフォワード側で実施してくれます。
通常のシステムとは違い、バックオフィスは法令改正がよく絡む領域のため、安心して便利に使えちゃいますね!
部門や拠点が複数に跨ってくると、サーバー管理も煩雑になり、専門家へ依頼・情報システム部を設置する必要が出てきますが、マネーフォワードを利用すればそういった不安はなくなります。
セキュリティ対策
オンプレミスやIaas製品の場合、セキュリティアタックの自動監視やデータバックアップには別途費用が発生することもあり、社内対応も難しい部分です。
マネーフォワード クラウドERPではファイヤーウォールの設置はもちろん、データの暗号化による強化なセキュリティ管理を実施しており、セキュリティアタックを受けていないか自動で監視を実施しています。
データバックアップは3重で実施しており、BCP対策にも有効です。
マルチデバイスに対応している
マネーフォワードはマルチデバイスに対応しています!
通常、Windowsのみしか使えないバックオフィスシステムが多いですが、Macでも操作可能です。
また、経費清算ではスマホ専用のアプリも用意されていて、iOS・Androidどちらにも対応しているため、従業員さんにも使いやすい仕様になっています。
そのほか勤怠・人事管理など専用のアプリはないものの、従業員さんがよく使う業務領域についてはスマホ画面でも見えやすいレスポンシブ対応がなされています。
コミュニケーションコストを減らすことができる
社内の既存システムやエクセルで管理している情報を「〇〇さんに共有したいな・・」と思った際、データをメール添付して確認したりしていませんか?
マネーフォワードであれば、直接システムを見てもらうことで、コミュニケーションが完結します。
クラウドサービスのため、アカウントがあれば出張先・ご自宅からでもアクセスできます。
税理士先生にもアカウント付与することで、仕訳の確認やり取りが直接帳簿を見てもらうことで完結し、従業員情報をもとに相談する際もクラウド人事管理から任意の条件で抽出した従業員情報を直接見てもらうことができます。
経営数字を見える化できる
勘定科目や補助科目、部門、プロジェクトなど各種マスタが存在しているため、経営数字として管理したい項目を保持することで、数字の見える化ができます。
通常、会計仕訳起票時に全ての情報を入力するため、抜け漏れや手間が発生しますが、請求書受領時・経費精算時などに情報を保持できるため、集約して会計で損益を把握できます。
また、ManageBoard2.0も合わせて活用することで、予算実績管理をグラフ付きで視覚的にもわかりやすく管理することができます。
グループ間の管理がスムーズになる
グループ会社間管理で各社の運用が違ったり、提出データのフォーマットが違う、アクセスできるPCが限られてしまっていて、物理的に煩雑…などのお悩みはありませんか?
マネーフォワードを利用すると、カスタマイズ性はないため、グループ間共通の業務フロー・システム利用に統一でき、ボタンひとつで操作したい法人を切り替えて操作することができるようになります。
また、クラウド連結会計で連結決算作業にまで対応することもできます。
マネーフォワード クラウドERPでできないこと・デメリット
マネーフォワード クラウドERPのデメリットを紹介します。できないことやデメリットは下記のようなものが挙げられます。
- カスタマイズ性が乏しい
- データ量が多いと動作が重くなる、利用できない
- しっかりと設定できないと上手に活用できない
- 製品が多岐に渡り、選定難易度が高い
- 目的に沿った製品選定・導入をしないと運用が上手くいかず導入の意味がなくなる
カスタマイズ性が乏しい
マネーフォワードに限らず、Saas製品はあらかじめ用意された環境で利用することが前提の製品になっています。
そのため、個社別にカスタマイズして利用することは難しいです。
一方、機能が同じ環境を利用するため、マネーフォワードに業務を合わせることで経理・人事人材の確保がしやすくなる、属人化を排除できる、グループ管理がスムーズになるなどのメリットもあります。
どうしても業務を合わせることが難しい領域は業務領域ごとに製品を組み合わせて使えるため、他システムを利用し組み合わせでバックオフィスシステムを構築することもできます。
データ量が多いと動作が重くなる、利用できない
製品ごとに対応できるデータ量の目安が決まっています。
例えば会計ソフトだと、クラウド会計:年間仕訳10万行まで・クラウド会計Plus:年間仕訳40万行まで目安(制限自体は自体はなし)となります。
製品によって、対応想定のデータ量が異なるため、事業規模が大きい場合は事前にデータ量目安を確認した方がいいでしょう。
しっかり設定できないと上手に活用できない
マネーフォワードをうまく使いこなせば、自動連携・法令対応により、業務効率化・ペーパーレス化を実現することができます。
一方、単一システムの設定だけではなく、連携の設定もあるなど業務知見・IT知見の両方が必要になってきます。
自社だけで設定完結が難しい場合、当社でも設定代行を承っておりますので、お気軽にご相談ください!
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製品が多岐に渡り、選定難易度が高い
マネーフォワードは幅広く製品を用意しているため、バックオフィス領域だけで約20の製品があります。
今まで手作業していた領域のシステム化をイメージするだけでも大変ですが、Plusのついている上位製品との違いなども吟味しながら自社に最適な製品を選定するのは難易度が高いです。
よくある例として、一部製品のみ利用していて全体の業務効率化し切れていない企業さまや利用はしているものの、上手く活用できておらず、勿体無い使い方になってしまっている企業さまもいらっしゃいます。
マネーフォワードでも案内自体はしてくれますが、企業規模に応じて窓口が複数になったり、小規模企業はネット自分で導入する前提の価格体系になっています。
鋭意成長中の企業であり、リソースの兼ね合いから全ての企業をERP全体としてご案内が難しい事情があるやむを得ない部分かもしれません。
当社ではバックオフィス全体に対して、製品の選定から導入・導入後フォローまで実施させていただいております。
目的に沿った製品選定・導入をしないと運用が上手くいかず導入の意味がなくなる
ERP選定の際によくあるのが、「当初の目的を忘れて、金額で導入先を決めてしまうこと」です。
マネーフォワード クラウドERPだけでも20製品近くの製品があるので、2社・3社と比較検討した際、どの会社でどの機能があり、何を実現できるかがよくわからなくなってきてしまいます。
そうして、比較各社が全部同じように思えてきてしまい、結局判断根拠にしやすい金額で選定を終えてしまうのです。
そういった場合、導入後に「こんなはずではなかった・・」となり、改めて相談いただく機会も良くあります。
ERPシステムの導入で何を実現したかったのか?それに対する選定のポイントはなんなのか?は最初に明確にし、軸がぶれない用に検討を進めることをおすすめします。
マネーフォワード クラウドERPの選び方
マネーフォワード クラウドERPはできることが幅広い一方、カバー範囲が多岐にわたるため選定難易度が高いです。
そんなマネーフォワード クラウドERPの選び方についてご紹介します。
導入目的、解決したい課題を明確にする
導入を検討する際には何を実現したいのか?は必ず明確にしましょう。
- 経営数字を見える化したい
- 業務効率化したい
- 属人化業務を解消したい
- グループ間管理をスムーズにしたい
- 法令対応を完了したい
- クラウド移行し、サーバー管理から脱却したい。etc…
実現したいことによってはピュアクラウド(=Saas)でしか解決できない問題もあります。
もし比較検討する際は検討が進むにつれ、軸がぶれないよう共通認識を持って検討を進めましょう。
業務領域ごとに業務量を洗い出し、費用対効果を検証する
システム検討する際、なんでもシステムを入れれば良いというわけではありません。
例えば、月の入金件数は何件ありますか?10件だった場合、その処理が大変だからといって月数万円のシステムを導入するのは正直費用対効果があっているとは言えないと思います。
負荷が掛かっている業務領域や法令対応が必要な領域を洗い出し、システム化する必要がある領域の特定・費用対効果を検証して導入範囲を選定すると最適なERP構築ができると思います。
導入責任者を明確にし、フォロー体制を作る
1人の担当者が毎日1時間、導入学習・設定作業・データ移行などの導入作業に時間を使った場合、1つの製品で導入完了までに1-3ヶ月間掛かる目安となります。
複数製品を導入する場合、導入担当者さんは毎日1時間半年以上に渡って通常業務+導入業務が発生する状況となり、新しい製品になれるまで業務負荷も増えます。
導入責任者・担当者を明確にし、導入の役割や日々の業務負担を減らすなど会社としてもフォロー体制を構築することが大切になってきます。
FINEXTではこの大変な設定・導入作業について代行もさせていただいています。
マネーフォワード クラウドERPのAPI連携できる先とは?
マネーフォワード クラウドERPではAPI連携が最大限の強みのうちの一つになっています。そのAPIについてご紹介します。
API連携できる先は大きくわけて2種類あります。
銀行・クレジットカード・POSレジ・ECサイト
マネーフォワードは金融機関との連携数が業界No1になっています。
そのため、個人・法人の口座とはほとんど全て自動連携することができます。
そのほかクレジットカードやPOSレジ、ECサイトなどとも連携できます。
POSレジで連携できる先の例
Airレジ、USENレジ、STOREレジ、スマレジユビレジ、POS+、NECモバイルPOS、POSCO、EC-Orange POS、etc…
ECサイト・他で連携できる先の例
Amazon .co.jp(出品者・購入者)、カラーミーショップ、クラウドワークス(受注者・発注者)、Stripe、Square、BASE、ランサーズ、楽天市場、Yahoo!ショッピング、ASUKUL、アニメイト、Qoo10、たのめーる、ラクマ、misoca、さとふるetc…
他社システム
マネーフォワードでは一部製品において、他社システムともAPIによる自動連携ができます。
クラウド給与・クラウド請求書は他社システムとの連携が充実しています。
クラウド給与API連携先
King of Time、ジョブかん、Touch on Tine、AKASHI、RecoRu、勤革時、HRMOS勤怠、セコム安心勤怠管理サービス King of Time Edition、SmartHR、オフィスステーション、esia-zero、カオナビ
その他勤怠システムに関しても、CSV連携ができるようになっているシステムが多数あります。
クラウド請求書API連携先のCRM/SFA
Mazrica、ZOHO CRM、Kintone(プラグインが必要)
一部製品では公開APIも用意されており、開発することによって自社システム等とのAPIによる自動連携も可能になっています。
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マネーフォワードについて解説している私たちは何者なのか?
弊社はマネーフォワード クラウドERPを中心に、ERP全体のご提案・導入支援/代行・アフターフォローを実施している企業です!
弊社代表がマネーフォワード全製品をご案内しているクラウドERP本部の立ち上げ期から参画しており、どの販売・導入会社よりマネーフォワード事情に詳しいプロフェッショナルになっています。
マネーフォワードでは販売管理・案件管理・在庫管理など製品群がない領域がありますが、弊社ではKintoneと合わせて全体設計のご案内をさせていただいています。
また、業務領域によってマネーフォワードで対応が難しい業務は他社システムも合わせてご提案させていただくなどERP全体を総合的にご案内させていただいております。
システムの検討・導入・導入後の体制にお困りでしたら、ぜひご相談ください!
マネーフォワード クラウドERP紹介まとめ
マネーフォワードはバックオフィス領域に幅広く製品を取り揃えており、さまざまな規模の企業さまの業務効率化に寄与することができます。
ただ、どの組み合わせが自社に最適か・うまく活用するための設定はどのように行うかなど各社の状況に応じた全体設計・導入作業は必要不可欠です。
FINEXTではそのようなERP選定に関する知見やクラウド・業務に関する知見を当サイトで公開しています。
ぜひ合わせてご覧ください。