コンバージョン改善より大切なこと?中小企業のWEB施策は“順番”が9割

「マーケティングはファネルの下から取り組むべき」
「まずはCVポイントを強化して、最短で売上をつくるべき」

──それ自体は間違っていません。むしろ正しい理論です。
しかし、それがすべての企業、すべてのフェーズにとって最適か?と言われれば、話は別です。

特に中小企業や地域ビジネスの場合、「そもそも自社を知ってもらっていない」「ホームページが全然見られていない」といった“土台”の課題を抱えているケースも少なくありません。

そんな状態で「CV率の改善」ばかりを追いかけても、意味のある改善は見込めません。

この記事では、「正しいけど、今の自社には当てはまらない」という状況に気づき、自社に合ったマーケティングの順序を見つけるヒントをお伝えします。

目次

マーケティングの常識=すべての会社に最適とは限らない

ファネル理論は正しい。ただし“前提条件”が違えば順番も変わる

「ボトルネックを特定し、CV(コンバージョン)地点に近いところから対策すべき」

これはマーケティングに携わる人であれば誰もが知っている王道の考え方です。

いわゆる「ファネル(漏斗)理論」に基づき、「一番下流にある障害を解消すれば、お問い合わせや購入が増える」というものです。

理屈は非常に正しい。

しかし、これはある前提があって初めて機能する考え方です。それは、「すでに一定のアクセスや認知がある企業」であること。

例えば、1万PVあるサイトで、CVR(成約率)を1.0%の場合、毎月100人が購入をしてくれます。
購入者を200人にしたい場合、見てくれる人を2倍の2万人にするより、購入をしてくれる人をCVRを2.0%に改善した方がはるかに効率も良く、費用対効果も高いといった具合にこの理論は正当なことを言っています。

中小企業には「見られていない」という前提がある

しかし、多くの中小企業や地域店舗では、そもそもホームページが見られていないという現実があります。

「うちもホームページあるんだけど、全然お問い合わせがないんだよね」

こういった声は非常に多く、調べてみると月間のアクセス数が10件〜50件程度しかないこともザラにあります。
その状態でLPのボタン色を変えたり、コピーライティングを調整したり、申込しやすい導線を整えても、効果はごくわずか。

要するに、ファネルの前提条件である「一定の流入数」がない状態では、CV改善策は焼け石に水なのです。

中小企業は“最初の一歩”を間違えないことが重要

中小企業のマーケティングで最も大切なのは、「順番」です。

ファネルの中で一番手前の「認知」部分、つまり最初の入口を開くことが最優先

まずは知ってもらい、自社のサイトにアクセスしてくれる人を増やす。

そこで初めてホームページやLPの改善に取り組むと、「流入 → サイト滞在 → CV」までの流れが生まれ、投資対効果が最大化されます

中小企業がまず取り組むべき“認知強化”とは

なぜ「認知」が最優先なのか?

マーケティングの目的は「売上を上げること」ですが、そのために必要なのは「選ばれること」、つまり比較検討の土俵に乗ることです。

ところが中小企業や地域密着型の店舗は、「そもそも知られていない」というハンデを背負っています。
いくら良い商品・サービスを持っていても、見つけてもらえなければ意味がありません。

この「見つけてもらう」ための施策が“認知強化”です。

テレビCMや大規模広告のような広範囲施策は難しくとも、デジタル施策の中でコスパ良くできるものはあります。
その筆頭が「MEO対策」です。

MEOは“近くの今すぐ客”に見つけてもらう最強の手段

MEOとは、Googleマップ上に表示される自社情報(ビジネスプロフィール)を最適化し、検索結果の地図に表示されるように対策することです。

例えば、「駅名+整体」「市名+ラーメン」などで検索した際に、上位3件の地図付き情報が出てきたことはありませんか?

今はスマホも普及し、位置情報に基づいて地元のお店を表示するMAPが通常の検索でも最上部に表示されるようになっているんです。

MEO対策では、以下のようなキーワードでの集客が可能です

  • 「地域名+業種名」
  • 「駅名+サービス名」
  • 「営業時間+店舗名」など

ユーザーの検索意図が「探している+今すぐ行きたい」という購買直前なため、SNSやチラシなど興味のない人にも広く届く認知方法と違い、成約率も高く、無駄打ちが少ないのが特長です。

よくMAPというと「飲食業ならわかるけど…」というお声を聞きます。

確かに、飲食店はMAPから来店に直結しやすいですが、建設業でも自動車販売業でも士業でもお客様に「知ってもらう」という点で効果があることは間違いないです。

実際に対策を始めている企業は、あなたの会社に問い合わせする可能性があったお客様を独占しています。

人員も資金も限られる中小企業のWEB対策ではまずこの基本のGoogleMAPを対策し、ホームページやLP、SNSや広告と順を追って対策していくことが重要となります。

その次に“ホームページ改善”でCVを高める

集客と成約は別物。「見られる」だけでは売上にならない

MEO対策でお店を“見つけてもらう”ことに成功しても、成約(=お問い合わせ・来店・購入)に繋がらなければ意味がありません
ここでようやく登場するのが、ホームページ(HP)やLPの改善です。

MEO対策で獲得した見込み客があなたのビジネスに興味を持った時、最も訪れるのがホームページです。
この段階のユーザーは、「本当にここでいいのか?」「他と何が違うのか?」を確かめています。

つまり、ホームページは比較検討フェーズにおける最重要の判断材料なのです。

中小企業にありがちな「成約率が低いホームページ」

よくある中小企業のホームページには、次のような特徴があります

  • スマホで見づらい
  • 情報が古い(ブログが3年前で止まっている)
  • 強みや実績が曖昧で「どこも同じ」に見える
  • 問い合わせ導線が弱い、または面倒

このような状態だと、せっかく見つけてもらっても「他の店にしよう」と判断され、コンバージョン(CV)に繋がりません

これは集客の問題ではなく、“受け皿の設計”の問題です。

ホームページは「売れる設計」がすべて

CVを高めるホームページには、次のような共通点があります

  • スマホで見やすく、読みやすい文字サイズと行間
  • ファーストビューに「誰の・どんな悩みを・どう解決するか」が明確に書かれている
  • お客様の声・実績・ビフォーアフターなど、信頼を得る要素が充実
  • CTA(お問い合わせボタン)が常に視界に入り、ストレスなく行動できる

このような構造を意識するだけで、「同じアクセス数でも問い合わせが2〜3倍になる」ことも十分にあり得ます。

しかも、ページ改善は広告と違い“やめても効果が消えない”という持続性の高い投資。
中小企業にとっては費用対効果の高い改善領域なのです。

よくある質問:結局、どっちを先にやるべき?

「MEOとHP、結局どっちが先なの?」とよく聞かれます。
答えは、「認知がないならMEOが先、認知があるならHP改善もすぐに着手」です。

  • 全く知られていない → まず見つけてもらう導線(MEO・SNS)
  • 見られているけど問い合わせが来ない → CV設計(HP改善)

このように、自社の課題フェーズによって優先すべき施策が変わるのです。

MEOもHPもしっかり設計できている場合はSNSや広告の運用による更なる認知拡大、チラシやウェビナーの開催、公式LINEやメルマガの導入で見込顧客教育導線を強化することで、より事業を拡大していくことができます。

MEO×HP改善=中小企業が最短で成果を出す導線

集客から成約まで、無駄のない「最短距離」

中小企業が限られた予算・人手でWEBから成果を出すために重要なのは、集客と成約の“最短距離”を作ることです。

  • MEOで「地域 × 商材」検索の今すぐ客に発見される
  • → そのままGoogleビジネスプロフィールからHPへ遷移
  • → 信頼性の高いHPで「ここに頼みたい」と判断される
  • → ストレスなく問い合わせ・予約へ

この一連の流れがスムーズに機能すれば、広告に頼らなくても、自然とWEBから売上が生まれる導線が完成します。

なぜこの流れが「王道」なのか?

理由はシンプルです。
MEOもHPも“目的が明確なユーザー”と相性が良いから。

たとえば、「●●市 歯医者」「●●市 外構工事」と検索する人は、すでにニーズが顕在化している“今すぐ客”。
この人たちが求めているのは「どこに頼むか」という判断材料です。

そこに、Googleマップで上位表示(MEO)、信頼性のあるホームページ(HP)が連動すれば、「この会社でいいじゃん」と決まるのは自然な流れです。

MEOとHPは別物、でも“連動させてこそ効果倍増”

MEOだけに力を入れても、ホームページが弱ければCVは伸びません。
逆に、HPがいくら立派でも、MEOで発見されなければ見てもらえません。

片方だけ頑張っても、もう片方がボトルネックになる——これが中小企業のWEB集客でよくあるパターンです。

だからこそ、「MEOで入口を作り、HPでしっかり受け止める」この連携が最強なのです。

小手先ではなく、“今の自社に必要な対策”を見極めよう

マーケティングの理論はあくまで「原則」です。
でも現実には、リソースも知識も資金も限られているのが中小企業。

だからこそ、「今の自社にとって一番効果が出る場所」を見極めて投資することが大切です。

  • まだ知られていない → MEOやSNSで認知拡大
  • ある程度見られている → ホームページでCV率改善
  • どちらもやってきた →SNSやリスティング広告など次の施策へ

このように、段階に合わせた正しい優先順位で取り組めば、WEB集客は確実に成果が出ます。

まとめ:一番ラクな導線を、最初に整えるのが中小企業の勝ち筋

WEB施策には様々な種類がありますが、
「MEO×HP改善」は、費用対効果と再現性が極めて高い導線です。

  • 月額広告費ゼロでも始められる
  • 継続運用で資産になる
  • 地域の“今すぐ客”にドンピシャで刺さる

集客に悩んでいるなら、まずこの導線から整えてみてください。

「今の自社に合った施策から始める」——それが中小企業にとって、最も堅実で、最短で成果を出すマーケティング戦略なのです。

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